「翻訳」というと、言語から言語への変換で、一見簡単なように思えます。しかしながら、日本語のニュアンスと同じように、外国人に伝えたいことを届けることは意外と難しいのです。和テンションが「外国人目線」にこだわり続けるからこそわかる翻訳の難しさとは。
日本語から英語に翻訳するのに苦労するのはどんな言葉?
料理のメニュー…?
確かにこれも簡単ではありません。特に日本料理にはもともと英語にはない言葉がいろいろと出てきます。
例えば、”長ネギ”。欧米には似た野菜はありますが、長ネギそのものはありません。そこでネイティブは、姿が似ているハーブの一種、リークに「日本の」を付けてJapanese Leekと言ったり、やっぱりネギだかSpring Onionの方がふさわしいと言ったり。長ネギ一つでケンケンガクガクなのです。
編集部の悩みの種、「住所の翻訳」
一見簡単そうに思いますよね。確かにルールを決めてしまえば、あとは機械的に翻訳するだけかもしれません。 でも、このルールこそ、曲者なのです。
このルールとはまさに「都道府県市町村」をどう訳すかです。県はprefecture、市はCity 、街はTown。じゃあ都や府はどうしますか? さらに郡や大字は? そもそも、各国の住所は、その国の行政制度に基づいた行政区分のためのものです。ですから、どの国も独自の区分を設けています。日本では州と訳されている区分も、同じ英語の国であっても、米国はstate、カナダはprovince、英国はcountyもしくはshireなどと呼び方がぜんぜん違います。
こうした行政区分の名称は、固有名詞と同じ、本来、訳せないはずのものなのです。
それぞれの言語対応の取り組み
日本では今まで、その都度、苦労しながら近い英語に置き換えてきました。都道府県や企業によっては、それぞれ独自のルールを作っていたりします。
でも、もういい加減、英訳するのをやめようという動きもみられるようになってきました。Tokyo- toやShibuya-kuというように、そのままローマ字表記をするという方法です。弊社WAttention誌では、すでに何年か前から、この方法を採用しています。
しかし、そこでちょっと困ったことも起きています。広告タイアップなどクライアント様のページでは、自社で制作されているパンフレットやWEBサイトと揃えたいと思われるのはもっともですよね。
つまり一冊のマガジンの中で、住所表記が2つ混在してしまうという、読者にとってはとても不便な状態になってしまうのです。弊社のWEBサイトも同じです。注記は入れていますが、これについての抜本的な解決策はないのが現状です。
住所の翻訳に限りませんが、外国人誘致を考えるとき、相手の国の社会や文化などのバックグラウンドを、私たち日本人はもっとよく知る必要があるのではないかと思うのです。
取り組み事例 ① WAttention
WAttentionでは、住所をそのままローマ字表記する形式を取っています。下記が例の一つです。
岩手県岩手郡雫石町丸谷地36-1
→ 36-1 Maruyachi, Shizukuishi-cho, Iwate-gun, Iwate
取り組み事例 ② 国・自治体
国による外国語表記の見直しや、自治体でによる独自ルールの策定などがなされています。
スタッフ紹介
和テンション新卒社員の徳田です。趣味は温泉巡りで、別府市の88湯巡りでは、現在60個を制覇。皆様のおすすめ温泉があれば教えてください!
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